4月8日(土)13:30~15:00
JA主催の農家組合長会議、農政講演会を聴講する。講師は日本農業新聞、客員論説委員
の須田勇治氏。WTO農業交渉は複雑で理解しがたいが、わかりやすく話してくれた。
現在日本の米は、前回のウルグアイラウンド交渉で決着した、関税は最低でも15%引き下げると言う決まりの中で、402円を6年間で2.5%づつ下げて341円/キロになっている。1俵20,460円の税金を払えば米は誰でも輸入できる事になっているが、この関税のおかげで日本の米・農業は守られている。
今、米国・開発途上国の提案は85円/キロ(1俵5,100円)、EUの主張で行くと136円/キロ
(1俵8,000円)したがって、日本はこの提案は絶対受け入れられないが、関税引き下げを阻止した見返りはMA米(米の輸入)の拡大はやむ得ないことになっている。
(日本は関税引き下げと輸入枠拡大を組み合わせ、どちらか一方を大きくすれば、どちらか一方を小さく出来る仕組み(スライド方式)を提唱し、各国はほぼ合意している)
又、日本の農産物数は1,326品目あり、重要品目の数は日本は15%を主張。EUは8%,
米国は1%と大きく違う。米国提案の1%を日本に当てはめると、精米や玄米・籾など米の17の細分品目さえも指定できない。
米業界は関税が150円/キロ(1俵9,000円)になれば危ないと言っている。
今、中国産米は70~80円(1俵4,800円)。9,000円+4,800円=13,800円。充分国産米と太刀打ちできる価格になる。現在中国内では20円で取引されており、現在の80円から40円くらいまでは下げられると言っているので脅威になる。
こういう状況で大変だ大変だと言っていても解決にはならないし、今までもそうであったように、国の農業政策は万全ではない。今までと同じくJAに結集し、行政と一体になり、取組むことが大切。
キーワードは県間調整(生産調整)・担い手・集落営農・農政(収入・所得の変動を緩和する
ための補てん、農地・水・環境保全向上対策)。
このWTO農業交渉の、モダリティ(保護削減の枠組みー関税率を下げる方式を決める)確立期限はこの4月末日となっており、輸入国(日本)、輸出国(米国)、EUそれに開発途上国(ブラジル・インド)が、それぞれ自国のためにギリギリの激しい厳しい交渉が続くが、日本農業の存亡のために妥協は許されない。